2013年1月17日木曜日

『キセキ26』 熊本県立美術館 ②

今回は熊本県立美術館(1976年竣工)の
”吹き抜けホール”のお話です。

外から見る吹き抜けホール(写真右側)は、
樹木の中にひっそりと佇んでいる雰囲気です。


館内に入ると、天井までの窓から大きな木々が見えて
そのスケール感に圧倒されます。

見上げると、ワッフルスラブと呼ばれる
格子天井ですが。

格子内の底面がブルーに塗装されているのが、
成層圏ブルーに、こだわった前川らしい…。
空にたなびく雲のイメージかもしれません。


 バルコニー的な中二階から
   吹き抜けを見下ろす空間構成がつくられています。
     (前川國男の空間の水平的連続性)
                            

吹き抜けホールに配されている照明は、
福岡市美術館(1979年)のエントランスロビー階段の
照明と同じでした。

写真に写りにくいようなディテール、
ちょっとした足元のタイルの大きさだったり、
あるいは、素材や風合いとか、
生活の感じを醸し出すような要素が
空間の連続性を作り出している。
「前川國男現代との対話」より抜粋

私も、 熊本県立美術館の暗い色のタイルは
周囲の木々の緑と合っていて
素晴らしい佇まいだなと感じました。

ちなみに、熊本県立美術館を訪れた時は、
雪がちらつく曇りの日でした。
美術館までの道のりは、城内を散策しながら、
本当にここに美術館があるの?と
ちょっとドキドキするような、楽しいものでした。

次回は熊本県立美術館の
打込みタイルのお話です。








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