2013年4月24日水曜日

『キセキ36』建築家丹下健三氏

今回は、前川國男氏と同じ時代に活躍し
弟子でもあった建築家丹下健三氏(1913~2005)の
設計による倉敷市立美術館のお話です。

倉敷市立美術館は、丹下健三氏の設計により、
1960年に倉敷市庁舎として竣工しました。

その後1983年に倉敷市立美術館として
倉敷市出身の建築家 浦辺鎮太郎氏(1909~1991)
の設計により可能な限り丹下建築の特徴を残しながら、
美術館としての機能をもたせるために
改築が行われました。。
(倉敷市立美術館HP美術館の建築より引用)



特徴は約20mのスパンを持った横に架け渡された
大きな梁とプレキャストコンクリート部材による
積み木のような外観です。

南側の入口の庇はこんな感じです。
天神山文化プラザ2階ロビーの入口と似ています。

窓枠には、格子のような柱や
天井には梁が施されています。

エントランスホールは
高さ10mの吹き抜け空間があります。


見上げると…彫刻のようなレリーフがとても見事です。
バルコニーのような入口も見えますね。

2階から階段をみると手すりがコンクリートで
面白い形になっています。

こちらは3階にある講堂です。

天井はドームを思わせる形で、デザイン性に富んでいます。
照明も星空のように素敵です。
丹下健三は、ル・コルビジュのロンシャン礼拝堂を
イメージして設計したと言われています。

舞台から見た客席部分


倉敷市立美術館は、コンクリートの打ち放し方式が採用されており、
「日本の縄文的伝統のコンクリートによる表現」との設計者
丹下健三の言葉にもあるように、素朴さのなかにも雄大な
スケールを誇り、まるで近代の校倉造りの蔵を
イメージさせてくれる建造物です
(倉敷市立美術館パンフレットより引用)


今回、倉敷市立美術館を探訪して、
前川建築同様、建築家のこだわりがあり、
人々が憩える建物でした。

時代の流れと共に、取り壊される近代建築が多い中、
改めて美術館として再生された建物が、
現在も利用され、市民や観光客の心に残っていくことは
とても素晴らしい事だと思いました。






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