平成16年の総合文化センター改修工事に携わった
㈱前川建築設計事務所に
㈱前川建築設計事務所に
”特製クリンカータイル”についてお話を聞きました。
質問 天神山文化プラザ、ピロティの床タイルの
特徴を教えてください。
答え 角を丸く仕上げている点と
織目が美しい、綱代張り(あじろばり)という並べ方をしていること
3種類の色使いが特徴です。
建物を教えてください。
東京文化会館屋上↑(前川建築事務所所蔵)
弘前市民会館↓(前川建築事務所所蔵)
答え 東京文化会館の屋上や、弘前市民会館のピロティなどに
同種のタイルが使われています。
天神山文化プラザと同じ、
9.5cm×19.5cmのタイルを綱代張りにしてあり、
文化センターのスタイルは、その後の前川建築の
模範になっているのではないかと推測されます。
質問 当時のエピソードはありますか?
答え 他の建物についてですが、
なぜタイルを使用したか大先輩に聞いたところ、
本来、自然石を使いたかったのですが、
高価すぎて使えなかったのだという話を聞きました。
タイルは難しい形状を特注しても安かったため多用され、
建物に合った床にするため、大きさ、色、張り方など
色々検討して決めていったそうです。
現在では、 石を薄く切る技術が進歩し、人件費のかかる
特注タイルはかえって高価になってしまったとか…。
平成16年の改修工事では、似たタイルを探してきて、
職人さんに角を丸く削ってもらった箇所がありました。
タイルを製造した㈱三石耐火煉瓦の方によると
当時のタイル製造は、てっぽう窯で1週間焼くという
手間のかかるものだったそうです。
作業員の方は窯出し後も手足がしびれるなど
大変な思いをしたそうです。
当時の技術を駆使し、建物に合ったタイルに
仕上げていったことなどを知り、
プロフェッショナルと情熱を感じ心がふるえました。
じーん。